事例紹介
2021.01.07
野球の楽しさを発信するセレクトショップとしてリニューアル 『アオバヤビーエスショップ』

今回は、『クリエイティブ相談室』を活用した事例として、大分市の『アオバヤビーエスショップ』と、大分市のデザイナーたなかみのるさんの協働事例をご紹介します。
『アオバヤスポーツ』は、佐伯に本店を構えるスポーツ用品店です。佐伯本店では、さまざまなジャンルのスポーツ用品を取り扱っていますが、1993年に大分市にオープンした支店は、徐々に、野球用品をメインに取り扱う店へと舵が切られました。2015年からは『アオバヤビーエスショップ』と名称を改め、野球専門店として営業しています。アオバヤスポーツには、九州でもトップレベルの野球用具のメンテナンス技術を持つスタッフがいます。その専門的な知識と高い技術を活かし、他店との差別化を図るため、野球専門店と位置付けられたこの支店では、野球大会『アオバヤスポーツ杯』やグラブのお手入れ教室など、野球に関する活動も積極的に展開してきました。
新型コロナウイルス感染症の影響により2020年6月に移転を決定します。後藤かおり店長は、移転を機に新店舗の空間デザインをはじめ、コンセプトやロゴ、ショップツールなど、全体的な見直しを図りたいと考え、『クリエイティブ相談室』へ問い合わせました。
相談室では、課題を解決する方法を一緒に考えてくれるクリエイティブ人材として、大分市を拠点に活動するたなかみのるさんを紹介、マッチングに至りました。
たなかさんは電機メーカー勤務後、広報・デザインを手がけるパラボラ舎を設立。デザイン業のほか、イベントやワークショップなども企画し、地域に関わるデザインに携わってきました。これまでも相談室を通じて、『長湯温泉飲食組合』との協働の実績をお持ちです。たなかさんのインタビューはこちらでお読みいただけます。
「野球専門店として認知度とシェアをさらにアップしながら、野球人口を増やす活動にも取り組みたい」という後藤店長の思いを受け、たなかさんは驚きと発見があるセレクトショップのような空間づくりで、野球の楽しさを発信する店を目指すことを提案しました。
たなかさんは『アオバヤビーエスショップ』の魅力の主軸をグラブの品揃えと高度なメンテナンス技術であると考え、グラブのディスプレイやメンテナンスブースの演出を、空間づくりのポイントとする方針を固めました。
移転までのスケジュールが非常にタイトだったこともあり、空間デザインとリノベーションは一括でお願いできる『株式会社 クラシカ』の森岡紘司さんに依頼しました。「海のまち・佐伯」で創業したことを大切にしていきたいという後藤店長の言葉から、ブランドカラーは青を基調にしました。濃紺の外壁に、ブルーグレーをベースにした内装で、商品が引き立ち、落ち着きのある空間となりました。

ブルーグレーをベースにした内装で、グラブが引き立つ空間に (デザイン・施工:(株)クラシカ Photo:衛藤フミオ)
また、これまで『アオバヤスポーツ』と『アオバヤビーエスショップ』は異なるロゴを使用していましたが、たなかさんは『アオバヤスポーツグループ』として、統一のロゴをデザインしました。新たな『アオバヤスポーツ』のロゴは使いやすさを追求したシンプルなもので、頭文字のAとも旗とも見える三角形のモチーフが使われています。

『アオバヤスポーツ』(左)と『アオバヤビーエスショップ』(右)の新しいロゴ
『アオバヤビーエスショップ』のロゴには、この三角形のモチーフに扇型を組み合わせ、「野球カルチャーを牽引していきたい」という思いを込めたアオバヤの旗が、グラウンドの上ではためく姿を表現しています。後藤店長は「この新しいロゴが、オリジナル商品やイベント会場など、さまざまな場面で使われることで、浸透していくことを期待しています」と言います。

佐伯の海をイメージした濃紺の外壁にも、新しいロゴの旗がはためく(Photo:衛藤フミオ)
移転オープン後、『アオバヤビーエスショップ』の売上は、前年同月比で160%となり、なかでもグラブの売上が増えたそうです。「野球のセレクトショップとしての第一歩が、コンセプト通りに踏み出せたのではないかと感じています。高価なグラブを取り扱うのだから、納得して購入してもらえるような店でありたい。そのためにも、わざわざ足を運んでも来たいと思ってもらえるような楽しさを提供していきたいと考えています」
今回たなかさんと協働したことで、さまざまなことを整理し、形にすることができたと後藤店長は語っています。店舗スタッフによるSNSでの積極的な情報発信も始まり、今後は設定したコンセプトをもとに『アオバヤビーエスショップ』のオペレーションの改善や新たな顧客獲得に取り組む予定です。さらに、地域イベントの開催や自社ブランドの商品づくり、地域のスポーツ選手たちが安心してプレーできるような技術サポート体制の構築など、さまざまな準備が進んでいます。

たなかみのるさん(左)と後藤かおり店長(右)
「野球のセレクトショップとして、新しい試みに挑戦していきたい。そして、店舗やグラウンドでの交流を起点に、子どもたちが選手となり、野球人口が増えるような循環を作っていきたいと考えています」
今回の取組によって、『アオバヤビーエスショップ』の新しいスタイルが構築されていくことを期待しています。
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