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CREATIVE PLATFORM OITA

supported by BEPPU PROJECT

事例紹介

2018.08.02

温泉で作る化粧水キットを体験型商品へブラッシュアップ『合同会社 RSB』

美容のプロと温泉名人、2人の女性が共同で開発した、温泉を加えて作る化粧水キット『Flow/フロー』。『合同会社 RSB』代表の帖佐真紀さんと『別府八湯温泉道名人会』の副理事長 八木みちるさんは、豊富な泉質数を誇る別府ならではの体験型商品の魅力を伝えるために、アートディレクターの櫻井暢子さんと協働してネーミングやパッケージを一新し、リーフレットを作成しました。

 

今回は、この『Flow/フロー』を開発した帖佐さんに、開発や協働の経緯について伺いました。

 

3月に大分市でおこなわれた『CREATIVE PLATFORM OITA』報告会で登壇する帖佐さん(左)、八木さん(中)、櫻井さん(右)

 

『合同会社 RSB』は2006年創業。別府市北浜でのエステティックサロンや、エステティシャン養成スクールの運営、化粧品販売をおこなっており、帖佐さんご自身もエステティシャン、スキンケアスペシャリストでもあります。

帖佐さんとキットを共同開発した八木さんは、別府市で『コトリカフェ』というカフェを運営する傍ら、温泉好きが高じ、別府温泉を広める活動をしています。

別府は、別府八湯といわれる8つの温泉郷を持ち、源泉数、湧出量ともに日本一の、いわずと知れた温泉都市です。泉質も豊富で、世界に存在している10種類のうち、7種類の温泉に入浴することができます。

なぜこのような商品の開発に至ったのか、帖佐さんに説明していただきました。

 

「別府には温泉水を使った化粧水がたくさんありますが、泉質がたくさんあるため、どれが1番いいと一概には言えません。そこで、八木さんと一緒に自分の肌質に合った温泉水を選んで化粧水を作るワークショップを開催していました。これがきっかけとなり、誰でも好きなときに好きなところで、自分に合った化粧水が作れるよう、商品化を目指しました」

 

こうしてできあがったのがスプレーボトルとラベンダー精油入りの保潤剤、スクワランオイルがセットになった化粧水キット『手づくり温泉化粧水BO+』です。無添加にこだわり、ラベンダー精油は大分県産のものを厳選しました。好きな温泉水をボトルの目盛り部分まで汲み、2種類の液体を混ぜ合わせて振ると、自分だけの化粧水ができあがります。

 

 

旧パッケージの『手づくり温泉化粧水BO+』

 

 

この商品を別府湾サービスエリアでテスト販売したところ、現行のパッケージでは商品の使い方や魅力が伝わらず、お客様に手に取ってもらいにくいことや、他県の人にとっては温泉水を汲むという行為のハードルが高いことがわかったそうです。

「このキットをどんな人にどのようにアピールしたらいいのかを整理し、納得のいくデザインにするにはクリエイターの力が必要だと思い、『クリエイティブ相談室』に相談しました」と帖佐さんは言います。

 

その後、相談室でのヒアリングを経て、アートディレクターの櫻井暢子さんと出会います。

 

櫻井さんは2016年に『unid 株式会社』を立ち上げ、さまざまな企業のロゴや商品デザイン、Webサイトまでトータルで携わって来られました。櫻井さんのインタビューはこちらをご覧ください。

 

「最初のミーティングで、実際に温泉水を汲んで化粧水を作る体験をさせていただきました。そのとき、自分で作ったという安心感とできたての化粧水のフレッシュさを感じ、その体験をそのまま持って帰れる、面白い商品だなと思いました。女性というのは綺麗になりたい生きものです。健康や美容に良さそうなものはなんでもやってみたい。この商品はそういった女性のニーズにあったものだと思いました」と櫻井さんは言います。

 

その後、櫻井さんは別府市内の特徴ある温泉を複数めぐり、泉質の違いによる美容効果があることを実感し、驚いたそうです。

「温泉に入ったときの気持ち良さは格別で、『この温泉を持って帰りたい』という観光客の方が多いと聞いて、納得しました。ただ温泉水を持って帰っても用途に困ってしまいますが、化粧水を作れば、旅の思い出と共に持ち帰れます」と櫻井さんは言います。

 

こうして3者で協働して、手づくり温泉化粧水キットのデザインとプロモーションについてのプロジェクトが進んでいきます。

 

櫻井さんはまずターゲットを設定しました。

 

「このキットで作った化粧水は消費期限が3週間。市販されているものより短いので、普段使いするユーザーではなく観光客にターゲットを絞り、観光を楽しむ体験ツールとして発信していくのがいいと考えました」

 

帖佐さんと八木さんのアイデアにより、商品名は『Flow/フロー』へ、ボトルも丸みを帯びた形に一新します。

 

「櫻井さんと一緒にデザインのコンセプトなどを話し合う過程で、ネーミング案も整理されました。Flowは風呂にかけました。ボトルの字も風呂の『ふ』をモチーフにしています。温泉マークのようにも見えて可愛いですよね。櫻井さんは水の流れやフレッシュさをイメージしてデザインしてくれました」と帖佐さんは言います。

 

完成した『Flow/フロー』

 

 

また、八木さんの豊富な温泉の知識を活かし、商品に同梱するリーフレットを作成しました。このリーフレットには、化粧水の作り方、注意事項などに加え、表面には肌質をチェックできるシートがついていて、どの泉質が自分の肌に合うのかを診断できるようになっています。その結果をもとに、裏面の泉質別分布マップで肌に合う温泉を探すことができます。

 

「別府にたくさんある泉質の中で、美容に効果のある4つをピックアップし、それらに『育てる湯』『守る湯』『落とす湯』『巡る湯』と名前をつけました。どの温泉に行こうか迷っている方、お肌の悩みがある方が、肌に合った温泉を感覚的に選べる仕組みにしています。これも櫻井さんと相談しながら決めていきました」と帖佐さんは言います。

 

櫻井さんも体験型商品であるためには、このリーフレットが重要だと言います。「観光客の方はこの商品から温泉の情報を得ることができます。リーフレットを見て入浴前に『別府の温泉にはこんな効能がある』と知ることで、プラシーボ効果も期待できます」

 

 

完成したリーフレット

 

 

最後に、販路や今後の展開について、帖佐さんにお聞きしました。

「販路はホテルや温泉施設、旅行代理店などを考えています。たとえば女子旅プランにセットしていただけたら、温泉の情報も得られ、作った化粧水を持ち帰ることもできます。このような販路を通じ、旅のお供としても認知を拡げていきたいと考えています。

また、『Flow/フロー』は泉質によって全く違う化粧水になります。それを肌で感じられるので、別府で湯巡りをして、さまざまな温泉で作り比べていただいて、その感想をお客様ご自身に発信していただけたら理想的です」と帖佐さんは笑顔で語りました。

 

 

『CREATIVE PLATFORM OITA』報告会の出展の様子

 

櫻井さんは、ご自身が初めて温泉を汲んで化粧水を作ったときの感動や、泉質の違いを体感した経験をもとに、情報を整理してターゲットを絞り、商品の価値を伝えるためのコミュニケーションの仕組みをデザインしました。美容のプロと温泉のプロが開発した唯一無二の商品は、クリエイターと共に仕掛けたさまざまな工夫により、別府の新たな楽しみ方を発信しています。

 

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合同会社RSB http://rsb.beautystyle.jp/

Flow http://flow.yutrip.info/

櫻井暢子さん http://creativeoita.jp/database/sakurai/

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