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CREATIVE PLATFORM OITA

supported by BEPPU PROJECT

事例紹介

2018.11.22

銘菓『ざぼん漬』を若い世代に向けた新しい大分土産としてリパッケージ『南光物産 株式会社』

株式会社 ビームスと別府市のコラボレーションプロジェクト『BEAMS EYE on BEPPU』への参加をきっかけに、別府銘菓『ざぼん漬』を若い世代をターゲットとした新しいお土産物として売り出した『南光物産 株式会社』。
ビームスと南光物産が商品開発に向けた意見を交わすなかで、デザイナーの井下 悠さんと協働し、パッケージを一新することになりました。今回は、同社の専務取締役の原口智成さんに取り組みの経緯とその成果について伺いました。

 

 

『南光物産 株式会社』は1967年創業。別府市鉄輪でざぼん漬やかぼす漬をはじめ、地元の魅力を活かした菓子を製造してきました。ざぼん漬は直径20センチ近くあるざぼんの皮を水あめで炊き込み、砂糖をまぶしたお菓子。かつては、別府土産の定番でしたが、土産物自体が多様化したことや、消費者の嗜好が変化したことから売り上げが伸び悩んでいました。原材料となるざぼんの生産量も減っているそうです。
そのようななかで、ざぼん漬を作り続けている南光物産の原口さんに、『BEAMS EYE on BEPPU』に申し込んだいきさつをお聞きしました。
「社内でのざぼん漬のイメージが『昔ながらの伝統製法で作られ、長年親しまれてきた別府銘菓』と、固定化しているのを感じていました。なので、パッケージデザインもそのイメージ通りで、購買層も年配の方が中心でした。
また、原材料の不足に伴い出荷を制限していましたので、付加価値をつけて、ざぼん漬を知らない新たなターゲット層にも届ける必要性を感じていました。そんなときに、『BEAMS EYE on BEPPU』という別府市の事業を知りました。ビームスと言えば日本を代表するブランド。そこと共同開発できるなんて面白そうだし、めったにない機会だと思って申し込みました」

 

 

別府市とビームスのコラボレーション事業『BEAMS EYE on BEPPU』は、2016年度にスタートしました。2017年度より始まった商品開発事業はNPO法人 BEPPU PROJECTがコーディネートしながら、初年度は公募で集まった別府市の16の事業者が、これからの別府のスタンダードになるような「あたらしいみやげもの」の開発を目指しました。
参加企業は定期的に試作品の発表をおこない、その都度『ビームス ジャパン』のバイヤーからアドバイスを受けながら、商品のブラッシュアップをしていきました。

 

原口さんは『ビームス ジャパン』のバイヤーからどのようなアドバイスを受けたのでしょうか?
「付加価値をつける方法として、食べ方の提案をするというアドバイスいただきました。『ヨーグルトに入れてもおいしい』など食べ方のレパートリーをパッケージに載せることで、ざぼん漬を知らない人に手に取ってもらう工夫をしました。驚きだったのは、いままで大きく謳ってきた『全国菓子大会』の受賞歴の文字は小さくていいと言われたことです。バイヤーならではの、消費者目線の意見は的確でした」と原口さんは言います。

 

ざぼん漬の旧パッケージ

意見交換が続くなかで、原口さんは『クリエイティブ相談室』を活用し、大分市のデザイナー井下 悠さんにパッケージのデザインを依頼します。井下さんのインタビューはこちらをご覧ください。

 

「『ビームス ジャパン』との意見交換のなかで、若い世代をターゲットに据えることを決め、それを井下さんにお伝えすると、複数のデザインをご提案いただきました。なかでもキャラクターを起用したパッケージ案は、これまでとは全く異なる発想のものでした。今まである程度売れていた商品が、パッケージを変えることで売れなくなることもありますから、はじめは抵抗があったのですが、『ビームス ジャパン』バイヤーの後押しもあり、最終的にそのデザインに決まりました。さらに、バイヤーからは『何個かに1個はウィンクしたキャラクターを混ぜてはどうか』とアドバイスをくれました。そういった遊び心の提案も新鮮でしたね」

 

 

こうして完成した商品は、2018年2月、新宿にある『ビームス ジャパン』での、『BEAMS EYE on BEPPU』の催事で発売をスタートしました。約1か月で150個を売り、参加企業のなかで1番の販売個数だったそうです。
「3月からは一般市場でも販売を開始し、おかげさまで販売実績も順調に伸びています。『ビームス ジャパン』での催事や『CREATIVE PLATFORM OITA』報告会など、販路開拓に直結する仕組みがあったことも大きかったです。メディアで取りあげられる機会にも恵まれ、今までのお取引先への提案でも好感触でした。目立つので、店頭で手に取ってくださるお客さんも多いですね。
また、『ビームス ジャパン』とは催事後も取引が続いています。県外での販路を確保していることは、営業の際のアピールポイントになっています」と原口さんは言います。

 

最後に、これからクリエイターとの協働を検討している企業へのメッセージを伺いました。
「創業年数の長さや規模の大小を問わず、企業はそれぞれ自社のカラーを持っています。クリエイターと仕事をするのであれば、それを壊す必要はないけれど、固定観念に捉われないことが大事です。
まず、クリエイターの提案をゼロベースで受け入れて見つめ直すことで、今までの延長線上ではない、より良い商品開発ができるのではないかと思います」と、原口さんは穏やかな笑顔で語りました。

今回の事例は、バイヤーとの意見交換を通じ、企業が「新たなターゲットに向けて商品を発信したい」という明確な目的を持っていました。そして、その思いにデザイナーが応え、若い世代や商品の存在を知らない人にも手に取ってもらえるような、これまでにないデザインのパッケージが誕生しました。伝統銘菓は新たな顔で、売り上げを順調に伸ばしています。

 

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南光物産 株式会社
〒874-0041 大分県別府市北鉄輪1組
電話: 0977-66-4151

井下 悠さん http://creativeoita.jp/database/inoshita/
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