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事例紹介

2020.10.22

ウィズコロナ時代における企業の社会的責任を共創する 『新型コロナウイルス感染症対策関連技術・製品特設展示』

大分市高江にある『大分県産業科学技術センター (以下、産業科学技術センター)』では、2020年9月1日から2021年3月31日まで、県内企業が開発した製品を集めた『新型コロナウイルス感染症対策関連技術・製品特設展示』を開催しています。今回は、この特設展示について企画連携担当の総括 髙橋芳朗さんと、主任 工藤一樹さんにお話を伺いました。

 

写真左:髙橋芳朗さん 写真右:工藤一樹さん

 

産業科学技術センターは、1910年に大分県醸造試験場として開設されました。その後、工業試験場として県内工業の発展に寄与することを目指し、工業化学、機械、金属、電子など時代の先を見据えた部署を増やしていきます。1994年には『別府産業工芸試験所』『日田産業工芸試験所』と統合し、工芸分野の支援も担うべく企画・デザインの部署を持った『大分県産業科学技術センター』に発展。現在は時代のニーズに対応し、「電磁力分野」「ドローン・ロボット分野」「電子・情報 (AI/IoT) 分野」「医療・福祉・介護分野」「農林水産・食品分野」「新素材分野」「エネルギー分野」の先進的な重点7分野の研究開発をおこなうと同時に、技術相談や依頼試験、設備開放、人材育成、商品企画のサポートなど、県内企業の課題に対して多岐に渡り技術支援しています。

 

9月1日から始まった『新型コロナウイルス感染症対策関連技術・製品特設展示』では、県内ものづくり企業が自社の技術を活用して、コロナウイルス感染症の対策に役立つ新たな製品を生み出す取組を紹介しています。

この展示には、産業科学技術センターの技術支援を受け、共同開発された製品も出展されています。

 

自動検温システム『SMART EYES FACE』

 

会場の入り口には、『株式会社ネオマルス』が中国メーカーと共同開発した製品で、端末に顔を近づけると0.2秒で体温を計測するタブレット型の顔認証セキュリティ自動検温システム『SMART EYES FACE』が設置されていました。検温しようとする人がマスクを着用していない際に、マスクをつけるよう呼びかける機能が搭載されているなど、その性能の高さを実感できます。

また、入館時には『三和酒類株式会社』と『八鹿酒造株式会社』のアルコール消毒液を使用できます。『八鹿酒造株式会社』に関しては、産業科学技術センターがエタノール回収率向上についての知見・データを開示し、問題解決への指導をおこない製品化しました。

 

写真左:三和酒類の消毒用アルコール  写真右:八鹿酒造の消毒用アルコール

 

会場にはマスクやフェイスシールド、防護服など多くの製品が展示されています。マスクは、刺繍専門の会社、医療機器・医療素材の製造販売会社、ウェットスーツ素材の商品を作っている会社とさまざまな業界からの出展がありました。

 

『シェルエレクトロニクス株式会社』のフェイスシールドは、大分大学医学部の穴井博文教授の基本デザインをもとに、産業科学技術センターに設置された三次元技術研究会の3Dプリンターを活用して試作し、製品化されています。また、『協和包材株式会社』の簡易防護服は、産業科学技術センターの職員とともに大分県立看護科学大学に相談し、医療関係者の意見をもとに改良を重ね開発されました。これらの製品の多くは、コロナウイルス 感染症の拡大が著しかった4月ごろから開発に着手されました。このように、自社だけでは開発が難しい商品開発を、産業科学技術センターや専門家との協働によってスピード感を持って完成させた事例も多く見ることができます。

 

写真左:シェルエレクトロニクスのフェイスシールド  写真右:協和包材の簡易防護服

 

会場の中央には、微酸性電解水を使い超音波霧化器で空気中の除菌をする製品や、多くの医療機関にも導入されている紫外線殺菌照射装置が展示されており、安全性とコンパクトさに技術の高さが覗えました。

 

会場奥には、アクリルやシート素材、部屋の仕切りになる抗菌素材の大型のものまでバリエーションが豊富なパーティションが展示されています。これらは店舗の什器制作会社や広告美術会社、看板サイン制作会社、ダンボール・プラダンボール製品の会社などが、自社の素材や技術を応用して制作しています。

 

さまざまな素材のパーティション

 

テレビや新聞で報道されたこともあり、本展には一般の来館者も多く、出展製品の購入希望者から問い合わせがあった企業も数社あるといいます。「今回の展示を機に、これまで利用したことがなかった県民や企業の方にもセンターの技術支援について知ってもらい、今後の利用拡大に繋げていきたいです」と工藤さんはいいます。また、「県内に点在している企業の情報や商品が集まり、それを発信する場にしていきたい。出展企業がお互いのことを知り、協働が生まれるなど、企業同士の橋渡し役になっていければと思います」ともおっしゃっていました。

 

本展では、自社の強みを活かしながらウィズコロナ時代における企業の社会的責任を果たそうとする取組を知ることができました。『新型コロナウイルス感染症対策関連技術・製品特設展示』は2021年3月31日まで。コロナに打ち勝とうとする大分県の企業のものづくりの力を体感し、先端技術に触れる展示をぜひご覧ください。

 

 

 

大分県産業科学技術センター (http://www.oita-ri.jp/)

■新型コロナウイルス感染症対策関連技術・製品特設展示

展示期間:2020年9月1日(火)~2021年3月31日(水)