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事例紹介

2020.12.03

人と人の距離感や、これからの都市のあり方を問う『U_40 建築家展2020 -距離感-』

2020年11月3日から8日まで、大分市のアートプラザで九州にゆかりのある40歳未満の若手建築家による展覧会『ARTPLAZA U_40 建築家展 2020 -距離感- (以下、U_40 建築家展)』が開催されました。

今年で11年目を迎える『U_40 建築家展』の開催にあたっての思いや展覧会のコンセプトについて、実行委員長の池辺慶太さんと、尾垣俊夫さんに伺いしました。

 

左:池辺慶太さん  右:尾垣俊夫さん

 

『U_40 建築家展』は、九州にゆかりのある40歳以下の若手建築家による展覧会です。若手建築家が作品を発表する場をつくりたいという思いのもとに、2010年から毎年、実行委員会とアートプラザが共同開催しています。

 

アートプラザは、1966年に旧大分県立図書館として大分市出身の世界的建築家 磯崎新の初期の代表作です。大分県立図書館の建て換えに伴い取り壊しが予定されていましたが、地元の建築家や地域住民の保存活動によって、1998年に複合文化施設として再生しました。

このような背景から、地域の財産とも言える建築を保存し活用することの重要さを提唱するため、『U_40 建築家展』ではアートプラザの新しい活用方法に挑戦しています。

実行委員長の池辺さんは「磯崎さんは30代で旧大分県立図書館を設計しました。その場所で展示発表をすると、自分の年令と重ね合わせて身が引き締まりますね」と言います。

 

アートプラザ

 

昨年11月の展示が終了するとともに、2020年の実行委員長、副委員長が任命され、それ以降は例年通り準備を進めてきました。しかしその後、新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化し、開催そのものを検討するため、リモート会議で話し合いを重ねたそうです。

 

「会場となるアートプラザが使用できるかわからなかったし、開催時期や期間の見通しも立ちませんでしたが、実行委員会としては開催を前提に、常に社会の動きを見ながら全員でアイデアを出し合い、展示のあり方を考えることにしました」と尾垣さん。

 

距離感をテーマとした出展作品

 

出展者が丁寧に展示を説明してくれる

 

テーマ「距離感」について、池辺さんに伺いました。

「建築家は人と人の距離を考えながら、街づくりに関わるのが仕事です。人と人が接してはいけなくなったコロナ禍において、建築家として今一度、距離感について問い直したいと考えました。また、建築家はさまざまな条件を設計によってより良い方向に転化させること求められます。このような難しい状況下こそ、自分たちの職能を活かすべきだと思いました」

 

展示会場の様子

 

「距離感」をテーマに住宅模型などを展示した会場には、たくさんの風船が浮かんでいました。これは仕切りなどで作品鑑賞を妨げることなく、ソーシャルディスタンスを保つためのアイデアです。

 

展示会場の様子

 

「建築家は設計をするうえで、多角的に検討を重ねながらプランを決めていきます。今回の『U_40建築家展』はコロナ禍において開催を実現させるために、来場者の方々のこと、会場のこと、展示のことなど、さまざまな状況を鑑みて多角的に検討してきました。実行委員会が一丸となって、建築家が得意なこの過程を実践したことで開催が実現できたと感じています」と池辺さん。

 

若手建築家による実行委員会のメンバーが、さまざまな視点を持ち寄り検討を重ねて実現した『U_40建築家展』。瑞々しい感性と熱意に加え、前例のない社会情勢のなかで強まった建築家同士の横の繋がりを感じました。

 


U_40 建築家展 2020 (https://u40architects2020.wixsite.com/home-1)