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CREATIVE PLATFORM OITA

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事例紹介

2019.07.18

木の家の良さを伝える工務店の新ブランドを発信『幸建設』

今回は別府市の工務店『幸建設』と、大阪を拠点に全国的に活動する『UMA/design farm』の原田祐馬さんとの協働事例をご紹介します。

 

『幸建設』は1957年に大分県別府市に創業しました。九州有数の宮大工だった先代より受け継いだ技術を礎に木造住宅、社寺建築、保育園や福祉施設などの施設建築も手がける総合建築業を営んでいます。15年ほど前から自然素材や大分県内の木材を使った家づくりに取り組むようになり、2017年には『おおいた木の良さを生かした建築賞2017』で最優秀賞を受賞しました。

 

そんな中、「ブランドとして形になりつつある木造住宅の価値をもっとお客さまに伝えていきたい」「社内で看板やリーフレットなどのデザインに統一感を持たせるのが難しい」「まずはWebサイトをリニューアルしたい」と、広報担当の幸 裕子さんから『クリエイティブ相談室』に申込みがありました。

 

「クリエイティブ相談室」では幸 裕子さんと、一級建築士で設計を担当する幸 康史さんから会社の歴史や今後の方向性などの具体的なヒヤリングを重ね、会社の強みや課題の整理をおこないました。そしてクリエイターとして推薦したのが、『UMA/design farm』の原田祐馬さんです。原田さんは大阪を拠点に全国各地で文化や福祉、地域に関わるプロジェクトを中心に、グラフィックデザインや空間、展覧会、企画開発など多様な活動を展開しています。建築を学んでおり、デザイナーとして団地の色彩計画なども手がけている原田さんならば『幸建設』に寄り添いながら、会社の思いや強みを見出し、顧客に伝えることが可能だと考えました。

 

原田さんのインタビュー『共に考え、共につくる』はこちら

 

打ち合わせの様子

 

その後、改めて原田さんから幸建設さんへのヒヤリングをおこない、ブランディングのプランを提案しました。このプランは『幸建設』がこれまでは大きく打ち出していた宮大工としての実績はあえて大きくうたわず、「大分で木の家を建てるなら幸建設」と思ってもらえることを目的に、「木の家であるということ」「地元の素材と職人を大切に考え、地域と共生していること」「家づくりの楽しさ」をシンプルに伝えるというものでした。併せて、ブランドの名称やロゴなど、全体の世界観づくりから取り組むこと、Webサイトに加えてコンセプトブック、会社案内、SNSなどのコミュニケーションツールを活用した情報発信も提案されました。

 

原田さんが作成した提案書

 

Webサイトでは、施主の「暮らす感覚」や職人の人柄を伝えるために、建築専門の写真家ではなく人物撮影も得意なカメラマンに依頼することになりました。また、ブランドロゴとともに「家と家族に優しくなる家」というコピーも作成しWebサイトやパンフレットに展開しました。施工物件や木材工場の撮影に同行した原田さんは「現場や住宅を見て、幸建設さんが素直で真面目なものづくりをしているということが強く印象に残りました。それって簡単そうで一番難しいことだと思うんです。1つひとつの仕事を大事にしていることをちゃんと伝えることが、幸建設さんの企業としての魅力を発信することになると考えたんです」と振り返ります。

 

CREATIVE PLATFORM OITA『報告会』の様子

 

Webサイトの制作は『小規模事業者持続化補助金』を活用しため、年内(2018年12月末)にホームページを公開する必要がありました。そのため、大阪を拠点とする原田さんと担当者の幸さんはビジネスチャットツール『Slack』を利用して遠隔でもスピード感のあるやりとりを重ねることで、年内のWebサイトの公開を目指しました。

 

リニューアルしたWebサイト(http://k-yuki.co.jp/)を再編集して作成した会社案内

 

Webサイト公開以降、お客様から「写真が素敵ですね」との声を多く聞くと裕子さんは話します。また、原田さんのアドバイスをもとに実践した雑誌の広告掲載やSNSを活用したPRについては「すごく反応が多かったですね。フォロワーが約2倍に増えました。これまでは(会社所在地である)別府市在住の方のフォロワーが多かったのですが、今は大分市の方が多いです。写真の重要性を感じました」と話します。原田さんは「少しの予算でSNSの広告をするとどんな人たちが見ているかある程度わかります。現在は、閲覧者の42%が35歳から44歳の人のようです。幸建設さんのターゲットの年齢層と近しいですね。こうしてブランディングに基づいてターゲティングし、実際に情報を受け取っている層を把握することで、情報発信の手法に対して意識的になります」といいます。

 

今後は名刺、封筒、ブランドのコンセプトブックなどを作成し、カメラマンを起用した竣工写真も増やしていくことでイメージの発信とウェブサイトの充実を進めていくそうです。クリエイターとの協働によって見出された幸建設の強みや魅力が、今回のブランディングやPRの見直しによって広く伝わっていくことを願っています。