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2017.07.27

独自素材から生まれたアイデア商品を世界へ!『ヘルメット潜水 株式会社』

湯たんぽ集合

ダイビングやサーフィンなど、マリンスポーツに適した美しい海が広がる国東半島東部。ウェットスーツの製造・販売を行うヘルメット潜水 株式会社は、この場所で、ウェットスーツ素材を使った湯たんぽを製造し、なんと年に4〜5万個の売り上げを上げています。

今回はヘルメット潜水 株式会社 代表取締役の伊賀正男さんを取材し、湯たんぽを生み出した経緯、販路の工夫などをお伺いしました。

 

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国東半島東部にある黒津崎海岸は、マリンスポーツにぴったりの美しい海水浴場です。その海と共に育った伊賀社長は大学進学を機に上京、建材関係の仕事を経て国東市にUターンし、お兄さんが始めていたビジネスを引き継ぐ形でヘルメット潜水 株式会社を設立しました。

当時は日本製釣具の販売とウェットスーツ製造を主要事業としていました。2005年に、他社との差別化を図るためにオリジナルブランド『CRO’Z(クロッツ)』を立ち上げました。

 

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初期のロゴマークデザインが施されたウェットスーツ

 

『CRO’Z』は、黒津崎海岸の白砂青砂から着想したもので、地元国東から全国へ、さらに世界へと自社の商品を発信したいという伊賀社長の強い思いが込められています。

 

ロゴマーク

現在のロゴマーク

 

あるとき、マリンショップのオーナーから「冬場は海から上がって着替えるときが寒いから、体にかけるお湯を保温できる容器を作ってほしい」という相談を受けたそうです。そこで伊賀社長は、体温を維持するウェットスーツ素材は保温性・断熱性が備わっていることに着目し、その素材を使って手作りの容器を製作しました。しかし、当時の接着剤には耐熱性がなく、素材を三層に重ねるなど工夫を凝らしてどうにか完成させましたが、製造コストがかさみ販売価格が上がってしまったことから、ごくわずかしか売れなかったそうです。

 

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湯たんぽの原型となった容器。約7リットルのお湯が入る

 

2004年頃、原油の高騰により湯たんぽが見直されているというニュースを見た伊賀社長は、「手触りが柔らかく、お湯を入れても肌に直接触れられるウェットスーツ素材で湯たんぽを作ったら、おもしろいのではないか」とひらめき、以前開発したお湯を入れる容器をもとに、湯たんぽ開発に取り組み始めます。

 

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耐熱性のある接着剤を使用しスリム化した初期の湯たんぽ。お湯の注ぎ口はペットボトルを洗浄、加工し再利用している

 

そんなときに出会ったのが、自律神経免疫治療を専門とする、当時東京女子医大付属自然医療研究所に所属していた班目健夫医師が書いた湯たんぽを推奨する書籍でした。伊賀社長は早速、研究所に湯たんぽの試作品を送りました。それがきっかけとなり、ウェットスーツ素材の湯たんぽに可能性を見出した班目医師とモニター実験を繰り返しながら、湯たんぽの共同開発に取り組むことになりました。こうして肩用、顔用、目用、トラベル用など、さまざまな型の湯たんぽを開発し、メディアに取り上げられたことをきっかけに瞬く間に完売。「4ヶ月間、全国から注文や問い合わせの電話が鳴り止むことがなかった」と伊賀社長は当時を振り返ります。

 

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平成19年度ビジネスプラングランプリで奨励賞を獲得し、賞金でお湯の注ぎ口のキャップを改良して特許登録を行い、現在の湯たんぽの形となる。肌触りの良さとじんわりする温かさで、女性を中心に大人気

 

当初7名だった社員では製造が追いつかず、多いときで4倍以上に増員したそうです。百貨店、大型雑貨店、大手ECサイトなど販路が拡大したことで、予告なく値段を下げて販売を行うお店が出るなど、思わぬ弊害も出てきたと話します。適正価格を守るためにも、信頼できるパートナーを慎重に選ばなければいけないことを痛感したそうです。現在は、安全協会が委員会を立ち上げ、湯たんぽのSGマークの取得申請に取り組んでいます。「安全の証であるSGマークが取得できると国内だけでなく、EU、アメリカへの流通も可能になるんです」と、世界を見据えて社長は語ります。

 

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デザイナーの鈴木尚和さんがデザインを手がけた湯たんぽシリーズ『nyunyu(にゅにゅ)』、『nanomo(なのも)』も開発されている

 

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国東市の廃校となった高校の校舎に工場を移設し、断裁・接着・縫製すべて手作業で開発している

 

「湯たんぽは季節商品なので、冬と夏の収益の差が激しいんです。安定した経営を維持するために、オールシーズン売れる防災グッズや介護用品も開発しています」と紹介してくれたランドセルカバーや防災カバンは、ウェットスーツ素材を使っているため、水害に襲われたときに浮き輪代わりとしても活躍します。「普段使いのものが、いざというときに命を救うものになれば」という伊賀社長のアイデアから、ボディバッグ、トートバッグ、バックパックなど、スポーツウェア専門のデザイナーがデザインし、この秋から本格的に販売を開始します。

 

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会社名の『ヘルメット潜水』とは、潜水服とガラス窓のついたヘルメットを使用し、船上からホースでエアーを送り、潜水する方法です。社名の由来について伺うと、「創業時は『ヘルメット潜水』の装備一式が主力商品でした。そのときの心構えやルーツを忘れないために、当時からずっと同じ社名を使い続けています」と伊賀社長。

湯たんぽや防災グッズなど、ユニークな商品開発の奥には、伊賀社長の実直な思いが込められていました。穏やかに波打つ国東の海から始まった独自の発想は、今後ますます私たちの生活に潜り込み、身近なものとして浸透していきそうです。

 


ヘルメット潜水 株式会社

住所:大分県国東市安岐町瀬戸田1300

電話番号:0978-67-2251

公式HP:http://www.cloz.co.jp/index.html

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