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おしらせ

2020.11.12

『クリエイティブ実践カレッジ』特別セッションレポート

クリエイティブの本質を理解し、企業 (商品・サービスのブランディング、プロデュースの手法などを学ぶ実践形式のプログラム『クリエイティブ実践カレッジ』による特別セッションが、2020102日コンパルホールで開催されました。

 

今回のセッションは、デザインファーム 『IDEO Tokyo』の立ちあげメンバーとして参画し、デザイン思考や人間中心デザインを軸に、分野を超えたイノベーションプロジェクトやデザイン経営を手がけるKESIKI, Partner石川俊祐さんを講師に迎え、『これからの時代におけるデザイン思考』についての講話がおこなわれました。

 

石川さんはイギリスの大学でデザインを学びました。イギリスでは、「なぜ」ということを考えることがデザインの基本であり、観察によって得た気づきを形にすることを学生時代に実践した石川さんは、デザインとは発想する力であることを学んだそうです。

日本のメーカーで工業デザイナーの仕事に就き、イギリスのデザイン教育との違いを感じ、日本のデザイナーのあり方を変えたいと考えるようになりました。そこで石川さんは、イギリスのデザインファームでのコンサルティングを経て、デザインファーム『IDEO Tokyo』の立ちあげに参画するため日本に戻ります。その後、デザイン思考のアプローチでコンサルティングから新規事業支援、ブランディングなど、さまざまな事業を展開する『株式会社 KESIKI』を設立しました。

 

今回の講話では、始めに、今なぜ「デザイン思考」や「デザイン」が必要だとされているのかについてお話されました。

昨今は、商品やサービスそのものの価値よりも、世の中の変化に合わせて新しいものが提供できているか、またその多様性が競争力に直結するようになってきました。

たとえばカメラメーカーがいかに高い技術力をもって高画質で小型の商品の開発に努めても、ユーザーのニーズは気軽に撮影できて、SNSで公開や共有するということにあります。つまり写真に「繋がる」という意味が求められるようになったのです。

 

短期間で目まぐるしく変化が起こり続ける時代においては、必ずしも多くの人が求めているものが正解とは限りません。多様化する欲求を知り、そこから新しいものを生み出すメソッドの1つが「デザイン思考」なのです。

 

 

デザイン思考のメソッドの基本は「人を深く知る」「他者に深く共感する」ということです。

多くの人を対象としたときに、全体を数で計るのではなく、1人ひとりが何を望んでいるのかを理解をして価値提供をするのがデザイン思考です。価値の多様化した現在、それを取り入れた企業が成長をしていると石川さんはいいます。

 

そこで大事なのは、言語化も数値化もできないような、人の中にある思いです。石川さんは「言語化も数値化も出来ないものを形にするには、人を観察してその潜在欲求を探り、自分で見て聞いてきたことを正しいと信じることが大切です」といいます。

 

客観的なことは数値化でき賛同を得やすい反面、平均的で似たようなものが生まれがちです。一方、潜在欲求から生まれるデザインは主観的で賛同を得にくいものです。しかし、新しいものを生み出すには、0から作るしかありません。今まで見たことないけれど、こちらのほうが良いとユーザーが感じるものを発見することが、人の潜在欲求に刺さるものを生み出す根源になるのです。石川さんは「前例のない道を作ることがデザイナーの役割であり、直感的思考と論理的思考の両方をうまく使うことが求められています。デザイン思考で大事なポイントは、問い・主観・共創の3つです。何を作るかというのを決める前に、そもそも何が作り変えられるのか、この常識は本当に正しいのか、ほかに方法はないのかと疑ってかかる。そこに自分なりの解釈を加えることが、本来のデザインの意味です」と石川さんはいいます。

 

また、個人がデザイン思考を発揮し、新しいものを生み出しやすい環境やチームをデザインするということについてもお話しされ、多くの受講者が熱心に聞き入っていました。

 

今回のセッションをきっかけに、大分県でも多くの企業がデザイン思考に関心を持ち、新しいものを生み出すために活用されることを期待しています。

 

デザイン思考についてもっと知りたい方は、石川さんの著書HELLO,DESIGN 日本人とデザイン』をぜひお読みください。