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CREATIVE PLATFORM OITA

supported by BEPPU PROJECT

おしらせ

2017.03.31

井下 悠さん (デザイナー)

『CREATIVE PLATFORM OITA』のロゴマークの制作をお願いした、大分市でフリーランスのデザイナーとして活動する井下 悠さん。
今回は、井下さんのこれまでのお仕事を紹介していただくとともに、ロゴに込めた思いや、大分県内のクリエイターにとって、『CREATIVE PLATFORM OITA』の望ましいあり方について伺いました。


 

山出:『Tokyo Midtown Award 2016』準グランプリ受賞、おめでとうございます。
これも井下さんらしい、親しみやすいデザインですね。お祝い事や楽しいパーティのときに白い紙コップじゃ味気ないから、こういうのがあると本当に場が華やぎますよね。

 

井下:ありがとうございます。
実は僕は、このコンペにはずっと挑戦し続けていたんです。いいものができなくて出せなかった年もありましたが、最後の一踏ん張りと思って今年も挑戦しました。受賞が決まったときはとても嬉しかったです。
受賞審査員も小山薫堂さん、佐藤 卓さん、柴田文江さん、原 研哉さん、水野 学さんって、そうそうたるメンバーですから、授賞式は本当に緊張しました。

 

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山出:『Tokyo Midtown Award』って、商品化が前提のコンペなんですか?

 

井下:はい。商品化だけじゃなくて、営業とか契約とか、販路開拓に関わることをしっかりマネジメントしていただいています。これから先に繋がる支援の体制もあって、クリエイターとしては励みになります。

 

山出:井下さんがこのコンペにずっと挑戦していたのはなぜだったんですか?

 

井下:アイデアを募集し、商品化までサポートするっていうコンペ自体、あまりありませんからね。

 

山出:こういうコンペを大分でもやれたらいいな。

 

井下:コンペってすごく大事ですよ。賞金の金額なんて低くてもいいから、続けることが大事だと思います。

 

山出:では、あらためて、これまでの井下さんのデザイナーとしての活動について聞かせてください。
最初に入社したのはデザインマップですよね?

 

井下:はい。もしも大分で就職するならここしかないって思っていました。

 

山出:2008年の国体のシンボルマークをデザインされたのも、そのころですよね?

 

井下:はい。入社2年目か3年目です。
大分県からの依頼で、国体のシンボルマークをデザイン協会内のコンペで決めることになって、僕のデザインが採用されることになりました。

 

山出:大分を明確に表現した、いいデザインでしたよね。
デザインのいろははデザインマップで学んだんでしょうか?

 

井下:7年間の在職中に、全部教えてもらったと言ってもいいくらいですね。請求書や納品書の書き方まで教えていただきました。

 

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山出:井下さんのデザインの特徴の1つに、文字が綺麗っていうことがあると思っています。
読みたくなるような、伝えるためのデザインが上手だなって感じているのですが、そういうこともデザインマップで学んだのでしょうか?

 

井下:写植をやってきた先輩の仕事を見てきたので、それは意識していますね。
見た目を優先して、文字のサイズを小さくしてしまったりするのって、優先順位が違うと思います。だから僕はかっこいいデザインができないんですよね。

 

山出:伝えるべき情報を大事にしているんですね。

 

井下:おしゃれでかっこいいものって、繊細な書体を繊細なサイズ感で使ったりするでしょう。そうすると、山出さんから「字が小さすぎて読めん」って言われるじゃないですか。山出さんに読めなかったら、年配の方々はもっと読みづらいですよね。

 

山出:発注する側としては、機能とデザインが一致していてほしいですからね。伝わらないと意味がない。

 

井下:それは山出さんとのお仕事の中で勉強させていただいたことですね。
わかりやすいものがいいわけではないけれど、誰に何を伝えるかということを曲げたら意味がないって思っています。

 

山出:デザインマップを退職されて、それから3年間BEPPU PROJECTでアートディレクションをしてくれたんですよね。その後、独立してからのお話を聞きたいです。
ショップカードや名刺やDMなど、いろんなグラフィックデザインを見てきましたが、どれも見る人を拒否しない、親しみやすいデザインですね。尖ってなくて、すっと入れるイメージです。

 

井下:そこは一番大事にしています。
僕の作るものは、ともすれば幼稚に見えるとも言われかねないのですが、やっぱり分かる人にしか分からないものであってはいけないと思っています。
たくさんの人に分かってもらえるよう、偏らないように。そこはすごく気をつけています。

 

山出:『びび』の広報誌も井下さんですよね。

 

井下:アートのOPAMと、音楽のiichiko総合文化センター、2つの「美」をつなぐイメージで、音のイメージをデザインに込めたかったんです。それで、「びび」の文字は音符のパーツを使って組んでいるんです。

 

bivi_paper bivi_logo

 

山出:デザイナーがクリエイティビティを発揮しやすくなる条件みたいなものってありますか?

 

井下:「チラシを作ってください」みたいに、最終的な形を指定するのではなく、1から関わらせてもらえると、もっといろんなことができると思います。
もっと広い意味でのデザインができたらいいなって思います。
あと、予算の配分も一緒に考えさせてもらえたら、もっと可能性が広がると思います。

 

山出:これから、クリエイターの視点やアイデアを活かして、新たな産業創出を図っていきたいのですが、どういう環境があればやりやすくなると思いますか?

 

井下:こういうことができるっていうことを伝えられていないんじゃないかと思っています。クリエイターが中心になった産業創出の事例はたくさんあるのに、まだまだ知られていないし、大分にそういう人材がいるっていうことも知られていないと思います。
間に立って、繋げる人が必要なんじゃないかな。

 

cp_logomark

 

山出:井下さんには『CREATIVE PLATFORM OITA』のロゴマークを作っていただきましたが、どんなイメージだったんですか?

 

井下:旗は「立ち上げ」をイメージしました。旗には先導する意味もありますし、目印でもある。そういう事業に育つといいなって思って考えました。

 

山出:『CREATIVE PLATFORM OITA』に今後期待することはありますか?

 

井下:デザイナーが関わって商品化するのって割と簡単なんですよ。それよりも、流通したり売ったりすることのほうが大変なんです。
作ることだけではなく、販路を開拓して導いたり、長い目で見守るサポート体制ができるといいと思います。
パッと見てわかりやすいものばかりではないから、ブランドになるまでには時間がかかる商品も多いと思います。その時間にしっかり寄り添って、長期的にサポートしてもらえると産業が育ちやすい環境になると思います。

 

 

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井下 悠

デザイナー

1979年大分県生まれ
九州デザイナー学院卒業
デザイン事務所、NPO法人を経て2015年よりフリーランス
公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員

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