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CREATIVE PLATFORM OITA

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おしらせ

2020.12.10

木村真琴さん (合同会社FUKUO 代表/フードディレクター)

今回は、テレビや新聞、情報誌などで活躍しているフードディレクターの木村真琴さんにお話を伺いました。木村さんは、企業のレシピ開発や販促指導、商品企画やHACCAPガイドライン制作など、食に関するさまざまな方面の事業を手がけています。

商品をもっとお客様に手にとってもらえるよう提案するために、木村さんが最も心がけていたのは、クライアントの強みを見出すことでした。

 

聞き手:CREATIVE PLATFORM OITA(CPO)

取材日:2020年11月6日


CPOフードディレクターになろうと思ったきっかけや、現職にいたるまでの経緯を教えてください。

 

木村:料理を作ることも食べることも、子どもの頃から好きでした。料理好きの母に習っていましたし、家庭科の調理実習のすべてのメニューを覚えているほど興味がありました。近くに住んでいるフランス人夫婦から、フランスやモロッコの料理を振る舞ってもらっていたのもよく覚えています。

 

フードコディネーターやフードディレクターは、飲食業の経験を積んでいる人が多いのですが、私は飲食業に就いたことがありません。大学卒業後にシステムキッチンの会社でキッチンアドバイザーの仕事をしていました。この経験は、調理場の機能的な動線を提案するときに活かされています。

その後、医療の現場で働き、医学系の大学で研究補助員や秘書、治験担当などの仕事をしてきました。そのなかで食の大切さに気づき、勉強することを目的に食にまつわる資格を取り始めました。

 

ちょうど同時期に、知人から食品の販促指導の仕事を紹介され、その仕事をお受けするためにアドバイザーに専門家登録をしました。そのことが食の仕事を始めるきっかけになりました。

 

CPOフードディレクターとして食に関わる事業を幅広く手がけていますが、実際にどのような依頼があるのですか?

 

木村:フードディレクション事業のなかでも、食品を扱う中小企業のマーケティング指導の依頼を受けることが多いです。マーケティング指導は商品企画・開発に始まり、レシピ提案、盛り付け指導などに関わることを柔軟にお受けしています。器やカトラリーの提案や購入までのサポートや、料理写真のカメラマンやデザイナーと組んで、メニューや広報物の制作監修もします。最近では、店舗のインスタグラムに投稿する写真映えがする写真の撮り方も指導しました。

 

スチール撮影の1例

 

CPO依頼の内容が具体的な案件が多いのでしょうか?

 

木村:首都圏の百貨店の催事に出店するため、客層に合わせてお弁当やお惣菜のメニュー開発や盛り付け指導をするというような、課題が明確な依頼もあります。しかし、依頼を受けてヒアリングをしていくうちに、違う課題が見つかる場合もあります。

 

以前、あるホテルから外国人宿泊客を見据え、朝食の食器やカトラリーを新調したいとご相談を受けました。しかし、実際にホテルに行き、現場やバックヤードを見せてもらうと、お客様や従業員にとって現状が快適な環境ではないと感じました。新しい食器やカトラリーを買い揃えて見栄えを良くすのは簡単ですが、それ以前に過ごしやすい環境を整えるために、できることから始めるべきとご提案させていただきました。

そのホテルはかつて多かった団体客の宴会に対応するため、各階に調理場があり、料理のジャンルごとにわかれて使っていたんです。今は団体客はそう多くありませんから、そこを整理することで、作業効率も良くなり人件費も削減できると思いました。また、朝食会場でのお客様の動線がスムーズになるよう、料理台やテーブルの配置も変えるよう提案しました。

現在、これらの提案を少しずつ取り入れながら、改善を進めていっています。

 

 

クライアントに説明するプレゼン資料

 

CPO依頼内容と実際の課題が違うことはよくあるのですか?

 

木村:はい。ですから、私はどのクライアントに対してもよくヒアリングし、その企業がもともと持っている強みをリサーチすることにしています。イメージをリニューアルしたい、これまでになかった新商品を打ち出したいなどの気持ちも汲みつつ、本来持っている美味しいものを、今まで以上にお客様に喜んで食べてもらえるような提案を心がけています。

 

リニューアルに合わせて提案した女性向けの御膳

 

CPO今後の展望をお聞かせください。

 

木村:近いうちに進めたいことの1つに、HACCP導入支援があります。大分県はHACCPの指導ができる資格を持っている人数が非常に少ないんです。また、HACCP導入によって従来となにが変わるのかが普及できていないのが現状です。しかし、2021年6月にHACCPの衛生管理を導入していない事業者は食品衛生法の違反になってしまうので、急がなくてはいけません。私はHACCPコーディネーターの資格を持っているので、事業者が簡単に管理できるフォーマットを作って広めていきたいと考えています。

 

また、現在は私1人で食に関わる仕事を手がけていますが、1つひとつの依頼に対して丁寧に応えていきたいので、将来的にはもっと会社を大きくして、もっと深く専門的な依頼にも応えていけるようにしていきたいと思っています。

 

大分には美味しいものがたくさんあり、とても豊かな土地ですが、県外出身の私から見ると、大分の人はアピールが苦手なように感じます。外からの目線を活かして、大分の美味しいものをもっと広め、多くの人に届けるお手伝いをしていきたいと思います。

 


木村真琴

フードディレクター/合同会社FUKUO 代表

千葉県出身。結婚を機に大分に移住。医療関係の仕事経て、フードディレクターとして独立。塩ソムリエ、カフェプロデューサー、HACCPコーディネーター、所伝料理研究家などとしても幅広く活躍する。

商品企画やレシピ監修、商品開発指導やメニュー改善などの店舗の販促指導や開業指導、オリジナル塩の開発など多岐に渡り「食」に携わる。また趣味の城郭の知見を繋げ、日本の郷土料理や所伝料理の研究もおこなっている。

Food Office 357.  (合同会社FUKUO) https://foodoffice357.amebaownd.com