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CREATIVE PLATFORM OITA

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おしらせ

2018.02.22

河野 忍さん(株式会社 モアモスト 会長/プログラマー)

今回は、Web系システム開発会社の『株式会社 モアモスト』で会長を務める河野 忍さんをご紹介します。大分市出身の河野さんは、大分商業高校を卒業後、福岡県や東京都のIT/Web関連企業などで幅広い経験を積み、25歳のときに現在の会社を立ち上げました。ウェブのシステム開発のほか、2016年からは飼い主とペット関連事業者をマッチングするメディア事業も行っています。経営者で1児の母でもあることから、若手や女性の働く環境づくりなどにも力を入れているそうです。ユニークな経歴や現在の活動に対する思いについて聞かせていただきました。

 

聞き手:CREATIVE PLATFORM OITA スタッフ(CPO)


 

CPO:モアモストを起業されたきっかけを教えてください。

 

河野:商業高校を卒業してから起業するまでは、半年から1年半くらいで転職を繰り返して本当にいろいろな仕事を経験しました。飲食店でのアルバイトもありますし、IT/Web関連ですと、Webマーケティング、企画、営業、コーディング、プログラミング、Webデザイン、システム開発の仕事などを一通り経験しました。自分の意志で自由に働きたいという意識もありましたし、当時、憧れの経営者である家入一真さんのアドバイスや同世代の起業家の活躍にも背中を押され、25歳だった2011年に今の会社を立ち上げました。

 

 

CPO:システム開発というと、具体的にどのような仕事の依頼があるのでしょうか?

 

河野:通販サイトなどウェブサイトの構築や、ITを用いた業務の効率化・改善のためのシステム開発が多くを占めます。言葉や文章で説明できるものはシステムに作り変えることができると言われていて、みなさんが思っている以上にシステム化できることはあります。たとえば、エクセルで全ての業務を管理していたり、いまだに紙のタイムカードを手作業で集計している企業は多いと思います。タイムカードをシステム化すると、スマートフォンなどをかざすだけで出勤データがクラウドに貯まり、テキストデータとして出力され、労務管理ツールのフォーマットに置き換えることができるようになります。IT化というと、人件費や人員削減などネガティブな連想をする方も多いのですが、削減できた時間や労力を他のことに投資できる仕組みだと考えてもらえたらいいと思います。まずは気軽に相談してほしいです。

 

CPO:具体的にどのような事例を手がけてこられたのか、教えていただけますか?

 

河野:水産物の卸売業者さんの業務改善の一環として、それまで手作業だった受注管理をオンライン上でシステム化するお手伝いをしました。漁港に水揚げされた魚を飲食店などに卸すのですが、取引先の多くが店の閉店後の深夜0時から4時の間に、電話やFAXで注文をしてきます。

その日のうちにどんな魚が何匹必要かなどの注文を取りまとめて港に発注、購入して配送するという流れなのですが、深夜の手作業は体力的にも厳しく、発注ミスも起きやすくなっていました。その状況を見かねて、社長がご相談に来てくださったのが始まりです。そこで、私たちは受注から店舗への配送までをスマホやパソコン1つで管理できるようにしました。その結果、毎日おこなっていた集計作業がなくなり労働環境が改善されてミスは軽減し、他の業務への余裕も生まれたそうです。

 

水産物卸売業者に導入したシステム (写真の数字は仮データです)

 

CPO:他にも事例があれば教えてください。

 

河野:サーバーの保守/運用会社の依頼で、データをクラウド上に保管するサービスのプロダクトデザインを手がけました。クライアントやデザイナーと相談して「クラウド=雲マーク」の固定されたイメージや、少し難解な印象を払拭できるよう、親しみやすい犬のキャラクターを使うことにしました。ネーミングとロゴ、デザインテイスト、サイト構成を始めとするトータルプロデュースを私が担当しました。将来的にグッズ展開や紙媒体に印刷するときも映えるように、色やデザインを考えました。

 

 

CPO:御社の強みを発揮しやすい環境や条件があれば教えてください。

 

河野:システム開発は決まったパッケージですべてを解決できるものはなく、各社の課題に応じたオーダーメイドのようなものなので、クライアントと信頼しあえる関係性を築くことが重要です。東京のWeb制作会社からシステム部分のお仕事をいただくことも多いのですが、クライアントには2次請けの会社というよりもパートナーという意識を持っていただいています。私たちは社内IT部署のように、クライアントと伴走したいんです。そうしないと解決すべき課題が見えてこないし、いいものは作れません。業界が違えば言葉の定義や認識の違いが当然出てくるので、それを前向きに埋めていきたいですね。

 

CPO:若手や女性の雇用や働きやすい環境づくりにも力を入れているそうですね。

 

河野:地方にいると「給与水準が低くて当然」「実家に住めば生活はしていける」など、妥協している人も少なくありません。それが普通になってしまうと、都会との格差は広がるばかりですよね。私は、ITやクリエイティブにはそんな状況を変える力があると信じています。0から1を創る力を身に付けて、主体的に仕事や住む場所を選択できる人が増えてほしいと思っています。

 

 

CPO:河野さん自身、1児の母として子育てしながら働いていますよね。

 

河野:はい。息子は1歳になったばかりで、シングルマザーなんです。しっかり仕事もしたいので、家事は完璧とはいえません。でも、お世話になった看護師さんに「家事は完璧だけどいつもイライラしているお母さんより、少し部屋が散らかっていてもやりたい仕事をして活き活きしているお母さんの方がいいと思うよ」と言っていただいて救われました。息子が大切だからこそ、自分自身も大事にしたいという気持ちで仕事に向き合っています。今度、結婚する社員もいるのですが、産休・育休の活用の推進はもちろん、自宅で仕事ができる環境もつくっていきたいです。

 

 

CPO:大分県内のIT企業と共同開催した私塾『大分クリエイティブアカデミー』も思いがあって始められたそうですね。

 

河野:個人が能力を伸ばすのはもちろん大事なことですが、全国的にも「IT関連の仕事は大分県に投げればなんとかなるらしい」みたいな雰囲気をつくりたいと思っています。それは1社だけで実現できることではありません。ですから、大分県下のクリエイターがもっと力をつけて、面として盛り上げていく必要があります。アカデミーでは、大分県のIT産業の発展を目指して、プロフェッショナルな人材を輩出することを目的にしたカリキュラムなどを提供しています。第二期では、自社の社員も通わせたいと思える良いカリキュラムになっています。

切磋琢磨できる横の繋がりが増えることは、自分たちの利益にもなると思うので、競合他社ももっと増えればいいと思っています。私自身、過去に複数の会社で経験を積ませてもらったので、自分がいただいた機会を還元していけたらいいなと思っています。

 

 

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河野 忍

株式会社 モアモスト 会長/プログラマー

 

1986年 大分市生まれ。

大分商業高校を卒業後、飲食店アルバイトやIT企業の経理、プログラマーなどを経験。

2011年にウェブ系システム開発会社『株式会社 モアモスト』を創業。現在の社員は13名。

株式会社 モアモスト 取締役会長

株式会社 ペットリボン 代表取締役社長

ダボス会議・GSC福岡ハブ立ち上げメンバー

NPO法人 おおいたWebクリエイティブボックス 理事

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