MENU

CREATIVE PLATFORM OITA

supported by BEPPU PROJECT

おしらせ

2017.07.13

越田剛史さん(デザイナー/クリエイティブディレクター)

今回は、『株式会社 Design totte』代表取締役の越田剛史さんをご紹介します。

越田さんは8年間フリーランスのデザイナーとして活動したあと、『株式会社 Design totte』を設立。企業ブランディング、グラフィック・Webサイト制作、商品プロデュースなどを行っています。本日は越田さんが手がけたデザインをご紹介いただきながら、越田さんの仕事や今後の展望についてお伺いしました。

 

聞き手:CREATIVE PLATFORM OITA(CPO)

 


 

CPO:最初に、越田さんがデザイナーを志したきっかけを教えてください。

 

越田:大学時代にまで遡ります。当時は3DCGが世間に浸透しはじめた頃だったので、僕はその分野を学びたく、視覚伝達デザインが学べる大学へ行きました。入学時は実践を通して技術を学ぶことが楽しかったのですが、授業が進むごとにデザイン自体に内在する理論を学ぶことに興味が移っていきました。これが大きな刺激となり、デザインの役割と面白さに魅了されて、デザイナーを志すことになりました。

 

IMG_5449

 

CPO:その頃に影響を受けたデザインがあれば教えてください。

 

越田:デザイナーの原 研哉さんが手掛けた展覧会『Re-Design-日常の21世紀』です。そこに坂 茂さんがデザインした四角い形のトイレットペーパーがありました。四角いので紙を巻くときにカタカタとひっかかり、紙の無駄遣いを無意識的に抑えられる、エコの観点からデザインされたトイレットペーパーです。一見シンプルなリデザインですが、視点を変えることによって物事の価値観を変えるデザインの面白さに惹かれました。

 

CPO:卒業後はデザイン会社に所属したのでしょうか?

 

越田:大学卒業後は、デザインの専門学校と高校で非常勤講師を、店舗関連の看板屋でグラフィックデザインを行っていました。その後、8年間フリーのデザイナーとして活動し、2年前に法人化して『株式会社 Design totte』を設立しました。

 

CPO:フリーランスに転向したあとも、グラフィックデザインが中心だったのでしょうか?

 

越田:独立した頃は広報が紙媒体からWebサイトに移行していたので、Webサイト制作の発注を受けることが増えました。現在は企画、デザイン、システム構築、解析と対応までを一括して手がけています。

 

CPO:越田さんが企業と協働して手がけた事例を教えてください。

 

越田:建売を行うハウスメーカーのWebサイトシステム構築の事例です。もともと新聞の折り込み広告やチラシ等の制作としてご依頼を受けていたのですが、社長と直接打ち合わせをするなかでコンセプトやターゲット層が明確になっていきました。結果、目的を果たすために媒体を見直し「効果の出せる広報物としてのWebサイト」を企画・制作しました。

 

jetnotateuri

越田さんが手がけた『有限会社 ジェットコーポレーション』の公式Webサイト

 

このWebサイトはブログ更新の感覚でニュースや物件情報を入力すると、自動的に見やすいレイアウトで更新できるシステムです。加えて解析も行ったところ、パソコンよりもスマートフォンでWebサイトを閲覧している人が増えてきていることがわかったので、すぐにスマホ対応化しました。

広告やWebサイトが活用されず漂流しているケースを見受けますが、それはデザインがうまく機能していないケースだと考えます。制作したWebサイトが、デザイナーの手を離れても便利に活用し続けられるような仕組みをつくることもデザインの本質であり、効果を生むものと、そうでないものの違いの1つだと考えています。

 

CPO:他に企業と協働した事例はありますか?

 

越田:新卒の事務員を求めていた建設業からの依頼で、求人ディレクションの事例です。

このときは「合同説明会に焦点を絞り、会場のブースで行列をつくる」という目標を立て、プレゼンスライドのデザイン、会場で配るチラシ、チェアカバーなどのブース関連のデザインをしました。企業からは「わかりやすく健全な会社であることをアピールしてほしい」という希望があったのですが、僕はあえて柔らかめのデザインに落とし込みました。

 

IMG_5458

 

IMG_5460

デザインされたチェアカバーは取り外し可能で、パッケージとして別会場でも活用できる

 

CPO:かわいらしくて、親近感が湧くデザインですね。

 

越田:企業が言う「健全」とは、テイストではなく完成度やクオリティがもたらす印象だと推測したんです。柔らかめのテイストでも完成度が高ければ、就活生は「健全だ」と判断してくれると考えました。企業説明会では多くの就活生が足を止めてくれ、新卒の内定者も決まりました。またプレゼンスライドの一部を変更することで営業職や工務職など、毎年の求人にも使用でき、費用対効果の高い事例になったと思っています。

 

works

そのほかにも、さまざまな業種の企業のブランディングやプロジェクトに携わっている

 

CPO:デザイナーが企業と協働して事業を実施するとき、どういった条件だと成功しやすいですか?

 

越田:企業の決裁者とデザイナーが直接想いを語り合える関係にあることです。決裁者までが伝言ゲームになってしまっては「想いの熱量」が高い状態で進みません。なので、決裁者・プロジェクトメンバー・デザイナーがチームとして団結していること、そこに成功の鍵があると感じています。

もう1つは費用対効果がイメージできる企業であることです。たとえば、20万円の費用内でデザインを依頼された場合、デザイナーはその範囲内で最善の策を考えることになります。最初から可能性を絞り込まれた状態では、デザイナーは100%以上の力を発揮することは難しく、結果も現れにくい場合があります。たとえば「デザイナーが入ったことで300万円分の効果を出せるならば、150万円かかってもいい」という考え方であれば、デザイナーは目的を達成するために商品自体にアイデアを入れ、企業自体のブランディングに携わりながら販売戦略の手腕を発揮でき、結果としてデザインへ投資した費用を大きく回収できる可能性が高くなります。この側面をイメージしたうえでデザインを発注できる企業は、デザイナーとの協働が上手な企業だと思います。

 

CPO:今後の展望があれば教えてください。

 

越田:僕は今まで広報のブランディングを主として手がけてきましたが、最近は商品力で勝負するクライアントと協働して商品開発に携わることが増えました。

すでにある商品の広報物を面白くデザインすることはできますが、実際に売れ続けるかどうかはやはりその商品力にかかっていると思うんです。広報戦略だけでなく、商品開発の段階からプロモーションまで一貫して携わりながら、結果を生み出すことを追求したいと考えています。身の回りにある日常的なものから、専門技術を応用した特殊な商品まで、企業にとって主力製品となり得るものに「デザイン」を取り入れる挑戦をしていきたいと思います。

 

_______________

越田剛史

デザイナー/クリエイティブディレクター

1981年大分市生まれ

大学にて視覚伝達デザインを専攻。同研究生課程修了。

2007年独立、2012年デザイン組織「Design totte」を設立。

2015年より広報戦略を含む企画・開発会社として法人化。

大分県デザイン協会 会長

公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員

_______________