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CREATIVE PLATFORM OITA

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おしらせ

2017.09.28

森 海里さん(イラストレーター/グラフィックデザイナー)

今回は大分市を拠点に活動しているイラストレーター・グラフィックデザイナーで、『大分県よろず支援拠点』のデザイン部門のコーディネーターとしてもご活躍の森 海里さんをご紹介します。森さんがフリーランスとして企業と協働して手掛けた具体的な事例を紹介していただきながら、クライアントとのやりとりの中で大事にされている思いや今後の展望などについてお話を伺いました。

聞き手:CREATIVE PLATFORM OITA スタッフ(CPO)


 

CPO : まず、森さんがイラストレーターやデザイナーを志すようになったきっかけを教えてください。

 

森 :もともとイラストを描くのが好きで、高校も短大もデザイン系に進んだのですが、就職のビジョンが見えないまま卒業したんです。学校の紹介で企業のイラストレーターとして職に就いたものの、出産を機に一旦デザインの仕事から離れました。その後、個人的に依頼されたウェルカムボードなどの似顔絵が評判になり、イラストの仕事が少しずつ増えてきたので、これを本業にできないかと考えるようになりました。ちょうどその頃、ある人から「あなたの絵にお金払う人なんていないよ」 と言われたこともあって、逆に奮起したんですよね。大分や東京のデザイン事務所や出版社へ売り込みに行き、フリーランスとして活動を始めました。今年で6年目になりますが、今はイラストとデザイン7:3という感じです。

 

 

CPO : これまでに取り組まれた事例をご紹介いただけますか。

 

森 :イラストレーターの仕事としては、『壱岐観光ブックレット』という冊子に漫画を描かせていただき、この冊子が2017年度福岡広告協会賞SP部門銀賞をいただきました。微力ながら私が関わらせていただいた冊子が名誉な賞を取ったと知り、とても嬉しかったです。

この場合はストーリーが決まっていましたが、案件によっては取材に行ってシナリオから考えることもあります。また、漫画だけでなく、冊子まるごと依頼され、イラストや漫画のキャラクター作りから冊子全体のデザインまで、全部1人でする場合もあります。他にも、会社案内や観光マップ、取扱説明書のイラスト、学校向けの資料集や素材集、雑誌や書籍の表紙・挿絵、ゲームやCM・アニメ・携帯アプリ・などイラストなら何でも制作します。

 

2017年度福岡広告協会賞を受賞した『壱岐観光ブックレット』ほか、森さんが手がけた冊子

 

CPO : パッケージのデザインでは、どのような事例がありますか。

 

森 :Uターンで起業なさった豊後大野のはちみつ農家の羽田野弘文さんからご依頼いただいたパッケージの事例があります。もともと採取量が少なく希少価値の高い商品だったので、それをパッケージデザインでどう表現するかを考えました。予算も少なかったのでパッケージ業者さんとも交渉しながら作りました。

 

CPO :クライアントの意思はどのように引き出していったのでしょうか?

 

森 :まず商品のコンセプトをしっかりお伺いし、実際に蜂を育てている養蜂場を見せてもらうところから始めました。生産者がとても強いこだわりをお持ちだったので、それに寄り添いつつも、消費者のニーズやトレンドも踏まえたデザインを数パターン提案させていただきました。

 

CPO : クライアントの意見もしっかり聞きながら、ご自身の分析や意見をしっかり伝えるということですね。

 

森 :そうですね。そのために普段から県外や海外にもできるだけ足を運んで、トレンドにも目を配るようにしています。ただし、トレンドを追うのではなく、消費者の視点を意識したうえでクライアントと打合せを重ね、本質を見据えながら仕上げていきます。どんな依頼であっても、クライアントときちんと対話することがとても大事だと思っています。

 

生産者のこだわりに寄り添いつつも、ニーズや予算を踏まえてデザインしたというパッケージ

 

CPO:ほかにはどのような事例がありますか。

 

森  :宇佐市のお菓子屋さんが作っている『ぽりんとう』という商品のパッケージのアートディレクションをさせていただきました。この商品はいろんなフレーバーがあって、もともとは単品でばら売りしていたのですが、それらをセットにしたアソート商品をお土産として売り出したいというのがクライアントからのオーダーでした。

それまでは『ゆふいんの森号』の中で販売していたということもあり、男性が単品で購入し、おつまみ感覚で車内で召し上がるケースが多かったんです。その商品のポジションをお土産向けに変えるとなると、まずターゲットが変わります。そこで商品の世界観を捉え直し、女性向けのデザインに変えようと考えました。さらに、セットにすることで販売価格も上がりますから、購入後に手元に取っておきたいと思ってもらえるようなパッケージにして、付加価値を上げる必要があると思ったんです。

そのイメージを実現するには、大分市在住のイラストレーター、なかむら葉子さんの世界観がとても合っているのではと思いました。さらに、デザイナーの数野美子さんにも関わっていただけないかとお声かけさせていただきました。

 

森さんがディレクターとなり、イラストレーターやデザイナーとともに作り上げたパッケージ

 

CPO : つまり、森さんがディレクターとなって方向性を定め、クリエイターチームを組んで作り上げたということですね。

 

森 :最近ではそういうパターンのお仕事も多くなりました。このパッケージもそうでしたが、複数のクリエイターが関わると、提案の幅が広がるんですよね。まだまだ大分県では、デザインが売り上げに影響することを理解している方が少ないと感じています。デザイナーやクリエイターが関わることによって生み出される付加価値が、売り上げの増加に繋がるということをもっと知ってもらえるといいなと思います。大分にもすばらしいクリエイターの方がたくさんいます。ぜひ、その方たちといいものを作っていただきたいですね。

 

CPO:今後、大分県内の企業とやってみたいことはありますか?

 

森 :いろんな、もっと勉強したいと思っています。あとはジャンルを問わず、商品開発の段階から携わってみたいですね。

 

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森 海里                                 

イラストレーター/グラフィックデザイナー

大分県大分市生まれ。大分県立芸術文化短期大学デザイン科卒業。2011年よりフリーランスとして活動。

大分県デザイン協会会員。

公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員。

九州アートディレクターズクラブ (九州ADC) 会員。

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