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CREATIVE PLATFORM OITA

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おしらせ

2017.11.09

櫻井暢子さん(unid株式会社 代表取締役/コピーライター・アートディレクター・デザイナー)

今回は、『unid(ユーンデ)株式会社』代表取締役の櫻井暢⼦さんをご紹介します。櫻井さんは2012年よりフリーランスで広告デザインの仕事を開始。2016年に『unid(ユーンデ)株式会社』を設立し、広告のアートディレクション、デザイン、コピーライティングなど多岐に渡る分野で活動されています。本日は櫻井さんがこれまで手がけたお仕事をご紹介いただきながら、今後の展望についてもお伺いしました。

 

聞き手:CREATIVE PLATFORM OITAスタッフ(CPO)


 

CPO:櫻井さんがデザイナーを志したきっかけや、現職に⾄るまでの経歴を教えてください。

 

櫻井:はい。私は大分市育ちで、幼い頃から絵や文章を書くことが好きだったので、デザインを学びたいと思い、県外の専門学校に進学しました。卒業後、ファッション系のショップの広告部門と同会社のWebショップで合計6年くらい働いたのですが、そのときは自分で手を動かしてものを作る仕事ではなく、事務的な業務を担っていました。27歳で大分に戻って、2012年から個人でデザインの仕事を始めました。それから4年ほどフリーランスのデザイナーとして活動していたのですが、社員を迎えることになり、それを機に2016年に『unid(ユーンデ)株式会社』を設立しました。以前は紙媒体のグラフィックデザインを手掛けることが多かったのですが、最近はWeb媒体のお仕事が半分くらいを占めています。店舗やブランドのロゴマーク、紙媒体、Webサイト、サインなど、トータルでデザインすることが多いです。

 

CPO: これまで県内の企業と協働したお仕事について教えていただけますか。

 

櫻井:『IECREA(イエクリエ)』という、株式会社川上住建の始めたコンセプト住宅のブランドの、ロゴマークとWebサイト(PC)を作りました。
『IECREA』の家はとことん施主と話し合い、クライアントの好みと自身の感性をからめて創造されているので、どれも特徴がある面白い住宅ばかりです。その創造力と探究心や、「止まらない」「進み続ける」という感覚を、家をモチーフにロゴとして表現しました。3案くらい提案したのですが、コンセプトも含めて自分自身も一番気に入っていたものが選ばれ、クライアントの意向と合致したことが嬉しかったです。
Webサイトは、1軒1軒の家が生きるようデザインしました。家や家具などのビジュアルは随時更新できるので、どんどん画像が増えていく楽しさがあります。

 

 

櫻井:さらに、同じく川上住建さんが『FURIO(フリオ)』という、家を建てたい人向けの「暮らしを体感する」カフェを作るというので、声を掛けていただきました。カフェのオープニングに向けてDMやリーフレット、ニュースペーパーのデザインや、Webサイトの制作を担当させていただきました。この頃から、紙媒体だけとかWebサイトだけとかではなく、全体的なブランディング・アートディレクションにたずさわるようになりました。

 

 

CPO: 広告の手応えはいかがでしたか。

 

櫻井: カフェでは売り上げの目標を早々にクリアしたと聞きました。最近では、カフェで使う紙製のランチョンマットもデザインさせていただいています。川上住建さんとは2013年からのお付き合いで、こうして関係性が続くとコミュニケーションが深まっていくのが嬉しいです。

 

CPO: ほかにはどのような事例がありますか?

 

櫻井: 大分県佐伯市の『お菓子のうめだ』さんは自社で製餡しているお菓子屋さんです。当初は、オリジナルの手作り餡をPRするためのWebサイトやパンフレットの制作をご依頼いただいたのですが、トータルでブランティングさせていただくことになりました。そこで、まずはうめださんの温かで純粋なお菓子への思いを伝えるロゴを作りました。これを基盤として、包装紙や引き出物用のギフトカタログなど、全体をブランティングすることで、統一感のある発信ができるようにしました。新しいイメージを発信できたと、クライアントにも喜んでいただけました。

写真は株式会社penelopeの児玉カメラマンに撮っていただきました。それぞれの感性を出しあって、1社ではできない感覚のものが実現できたことも喜びの1つです。

 

 

櫻井: これは、株式会社高橋製茶という臼杵市で有機緑茶を作っているお茶屋さんのWebサイト&ECサイトです。国内はもちろん海外にお茶を売り出したいということで、英語版とドイツ語版のページも作りました。海外は日本よりも、製品に対するストーリー性を重視する傾向が強いということを知り、農薬を使わなくなった理由など、創業者の思いもヒストリーとして掲載しました。また、日本では来客の際にお茶を出すのがあたりまえですが、これも海外の方はびっくりするようです。日本茶は高級品ですからね。高橋製茶さんの事例では、国内外に日本茶の価値を伝えるために、その美しさと純粋さを表現しようと試みました。
その際にショッピングサイトも一新したので、現在は海外からのお問い合わせも来ていると聞いています。デザインも大変好評ということで、今後もこのイメージを基盤に展開していきたいとおっしゃっていただけています。引き続き、ともに歩んでいけたらと思っています。

 

 

櫻井:佐伯は米水津にある水産加工会社の株式会社やまろ渡邉さんより、パッケージを一新したいとご依頼をいただきました。

やまろさんは、エンドユーザーの魚離れに強い危機感を感じていらっしゃいます。でも「魚を食べてね! 栄養もたっぷりでおいしいよ!」と声を上げるだけでは魚離れを止めることができないことも感じているので、そのまま食べられる商品や、揚げるだけなど調理に手間のかからない加工品を開発し、ユーザーのハードルを下げています。

このように、やまろさんが商品づくりのなかで、安心安全なものを美味しく簡単に提供するということを常に考えていらっしゃるということを知り、その思いにフォーカスしてデザインを進めることにしました。
まず、パッケージを考える前に、このやまろさんの思いに「エブリフィッシュプロジェクト」という名前をつけました。これは造語ですが、「毎日食べたい」「毎日食べたくなる」など、魚は毎日のものであるという感覚をダイレクトに伝えるものです。この名称からロゴを考え、パッケージをはじめ、コンセプトミニパンフや出荷用の箱のスリーブ、ステッカーなどさまざまなものに派生させていきました。

このような提案は、しっかり対話を重ね、心底共感しているからこそできるものです。信頼関係のもとに関わらせていただけていることを、とても幸せに思います。このプロジェクトも児玉カメラマンとの協働です。この相互依存から生まれるものは大きいと思っています。

 

 

CPO: 今後チャレンジしてみたいことはありますか?

 

櫻井:ブランディングデザインや広告のコンテンツづくりは本当に楽しいのでこれからもやっていきたいと思いますが、さらにこれからは、より深く企業の理念やアイデンティティ、企業が目指すビジョンに関わっていきたいと思っています。たとえばこれから10年先、企業としてどうありたいか、もっと大きくいうと、どういう社会を作っていきたいか。そういうところから関わって、それをビジュアルや形にしていくことを企業と一緒にやっていきたいですね。

それともう1つ、知的財産権の問題についてもちゃんと取り組んでいきたいと思っています。企業とクリエイターとが最初から権利関係について話し合い、契約書をきちんと作って合意しておくことは、お互いの信頼にも繋がります。先日、弁護士にも見てもらいながら、デザインにおける契約書の雛型を作ったんです。それを大分県デザイン協会にてオープンソースにしました。クライアントもデザイン業界も、みんなでもっと幸せになりたいです。

 

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櫻井暢子

unid(ユーンデ)株式会社 代表取締役/コピーライター・アートディレクター・デザイナー

1983年愛知県生まれ、大分県育ち。2012年よりウェブと紙媒体研究所UNIDRUSU.(ユンデルース)として広告デザインの仕事を開始。2016年より unid(ユーンデ)株式会社として法人化 。

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