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INTERVIEW

Interview

2017.03.09

1番大事なのは理念です

hanajuku 代表 花井 裕一郎

花井 裕一郎
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お客様にどう寄り添うかが、常に場づくりの課題

 


 

山出:いろんな経緯があって完成した『まちとしょテラソ』ですが、2011年のライブラリーオブザイヤーにも選ばれましたね。なにより、旧来型の図書館という施設のあり方では考えられなかった、いろんな活動が行われていますよね。

 

花井:それは、今までやってないことをやりたいという希望が強くあったからです。でも、僕がワンマンになってはいけない。みんなの意見のなかで、僕が納得のいくこと、できそうなことを実現していきました。

 

山出:法律的にはOKだとしても、道義や過去の慣習にとらわれて、なかなかできないこともありますよね。たとえば、館長がやろうと決めたことが、 町長や行政の意見でくつがえることもありましたか?

 

花井:ありません。1番大事なのは理念です。「交流と創造を楽しむ、文化の拠点」であるかどうかなんです。

 

山出:迷った時に戻れる場所って重要ですよね。

それと、わくわくしながらじゃないと、いい仕事はできませんよね。ましてや図書館って、子どもたちが未知の情報とか、新しいことに出会って人生が変わるかもしれない場所でしょう。本当はわくわくする場所のはずなのに、難しい顔をして静か座っていなくちゃいけないのって、何かが違うと思うんです。

 

花井:僕は、あそこに行けば面白いことがあるって思ってもらえるような場所を作りたいんです。図書館を通じたまちづくりはしましたが、図書館の専門家ではないし、極端なことを言うと図書館でなくてもいいんです。

やはり自分の帰る所が欲しいんですよね。それは食事ができて、飲めて、本が集まっていて、イベントができる場所。だから、地元である博多でいろんな実験ができるような小さなお店を持ちたいというのが今の夢なんですよね。

 

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山出:花井さんがみんなの創造力を信じたからこそ、『まちとしょテラソ』はできていったんだと思います。

 

花井:そうですね。僕がいたからできたわけじゃないんですよ。「図書館で食事をしたい」って言う人がいなければ、僕は何も感じなかったし、今のような形の図書館はできなかった。僕がやっているのはFacebookの「いいね!」みたいなものですよ。それは演出家だったからできるという自負はあります。お客様にどう寄り添うかが、常に場づくりの課題だと思っています。

 

山出:これまで来ていない人に来てもらうということは、単純に利用者数が増えるということ以上に大切なことですよね。新しい人たちに、新しい出会いの可能性が生まれる。それを信じてまちづくりをやっていくしかないんでしょうね。

 

花井:やってみないとわからない。だからこそ、そこで出会った人たちを信じるしかないんですよ。

 

 

(完)

編集長雑感

近年、書籍の売り上げが低迷していると言われます。インターネットを使えば膨大な量の情報が得られるし、最新の情報にどんどん更新されていく。でも、本の価値は必ずしも情報だけではありません。

人によって本の価値は違います。青春時代に出会った1冊の本が自分の人生を変えたという経験を持つ人も少なくないでしょう。そこには郷愁やいろんな思いも含まれています。それは自分自身が生きた証なんだと思います。

本を読むという行為は時間がかかるけれど、たくさんの言葉との出会いがあります。本を読むことは個人でしかできませんが、『まちとしょテラソ』は、本を読むだけではなく、幅広い世代がさまざまな活動を展開することができる空間づくりによって「交流と創造を楽しむ、文化の拠点」というコンセプトをしっかりと具現化しています。花井さんには、さまざまな場づくりにおいて参考になるお話を聞かせていただきました。

Profile

花井 裕一郎

Yuichiro Hanai

hanajuku 代表

演出家、hanajuku 代表
1962年、福岡県生まれ。1989年より、フジテレビジョン、NHK、TBS、日本テレビ、東芝EMIなどでテレビ番組、PVの演出など多数。2002年、小布施堂文化事業部長に就任。2003年~2009年『60秒シネマコンペティション』事務局担当。2007年より『おぶせTシャツ畑』ディレクター。2009年7月~2012年11月、小布施町立図書館『まちとしょテラソ』館長。
「ないのにある」=「存在そのものは目に見ることが出来ないが、そこにはエネルギーが存在する」ことを体感しながら、本来の人間の姿・生き方を模索し、創作活動を展開。著書に『はなぼん~ワクワク演出マネジメント~』(文屋)。

 

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