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INTERVIEW

Interview

2017.05.11

策定から推進までを一貫して行うシンク&ドゥタンク

福岡地域戦略推進協議会 事務局長 石丸修平

石丸修平
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民間が主導して、国の出先の長や知事、行政、経済団体や地域財界の方々を中心に、周辺の市町村や大学も参加する、オール福岡の座組み

 


 

山出:まず、『福岡地域戦略推進協議会(FDC)』が生まれた経緯からお聞かせいただきたいです。

 

石丸:複数の要因がありますが、大きなトピックスとしては福岡市が『国際地域ベンチマーク協議会(IRBC)』という世界10都市が加盟している世界的な協議会に加盟していたことが挙げられます。IRBCはバンクーバーやシアトル、メルボルン、バルセロナ、ヘルシンキなどほぼ同規模の10都市で互いに学びあい、自らの都市にそれを活かすというのが趣旨の協議会で、日本では福岡だけが加盟しています。

2010年に年次総会が福岡で開催され、福岡の財界が実行委員会を組成しました。その総会を通じて、経済的にもうまくいっているイノベーティブな都市の政策や地域づくりの戦略のスキームが広く認知されました。

 

山出:「広く」というのは、行政だけではなくということですね。

 

石丸:はい。大学と民間企業が連携して地域に資するサービスやプロダクトを作る事例や、行政とともに地域そのものを引っ張っていく取組を学び、それを民間中心の仕組みを福岡で作ろうという機運が高まったことで、FDCの原型が作られたんです。

それと同時に、国交省が新しい官民連携のあり方を検討しはじめていて、福岡をそのモデル都市として推進する流れとなりました。その後、民間主導で行政も巻き込みながら、半年くらいの期間で組成されたのがFDCというわけです。

 

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山出:FDCには自治体も加盟しているのでしょうか?

 

石丸:自治体はもちろん、企業、団体、大学のほか、個人でも参加できます。いろんなセクターの人達が関わることができる場なんです。今のところ、個人の参加はありませんけどね。

民間が主導して、国の出先の長や知事、行政、経済団体や地域財界の方々を中心に、周辺の市町村や大学も参加する、オール福岡の座組みになっています。事務局として私が統括し、監査役は地銀2行に依頼しています。

立ち上げ時は36団体でしたが、今は正会員が86団体、全体で130団体となっています(2017年4月現在では140団体)。

 

山出:加盟には年会費が必要なのでしょうか?

 

石丸:はい。正会員と賛助会員と特別会員で会費は異なります。

正会員には総会での議決権や部会に参加する権利があり、賛助会員はそういう活動の報告や情報を受け取ることができます。これらの会員を中心に、事業計画を立てたり、政策を検討する部会を開いたりしています。

 

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山出:具体的には、どういうことをされているんですか?

 

石丸:観光部会では、福岡市経済観光文化局のMICE推進をしている課と連携してMICEを誘致する仕組みを作り、地域経済に波及させるプロセスを組み立てています。

また、都市再生部会では、設立当初に都心再生戦略を立てています。福岡都市圏の250万人のうち、7割が天神や博多で働いているんです。ここの機能を強化するということと、ウォーターフロントの開発、そしてその間を繋ぐリバーフロントを整備し、人の動線となる交通軸を作ろうというのが当座の目標でした。

都心公共交通軸に関しては、最近の取組として、連結バスを試走させています。今後は専用レーンを作り、BRT(バス高速輸送システム)のような形で定時制を担保していきたいと思っています。

天神の『ビックバン』という政策パッケージの戦略も、我々が提言した都心再生戦略や、福岡市と共同提案した国家戦略特区が大きく関係しているんですよ。

 

山出:FDCは提言団体でもあるんですね。

 

石丸:提言団体というよりも、策定から推進までを一貫して行うシンク&ドゥタンクですね。そのプラットフォームを産学官民一体になって活用し、俯瞰しながら福岡の将来像を描いているイメージですね。

福岡は昔から、自分達の地域は自分達で作るという意識が強くて、住民の意思に行政が寄り添うという構図が生まれやすいんです。

 

山出:政策によるものというわけではないんですね。

 

石丸:今の福岡は政策と地域性がうまく連動していると思います。FDCと似たような組織づくりを目指す地域の方が視察に来ることもありますが、どこも官が主導しているんですよね。民間に担い手がいないと、なかなか上手くいかないと思いますよ。

 

 

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編集長雑感

ここでは、FDCの設立経緯から座組み、どんな取組をされているのかについてお聞かせいただきました。成長戦略の策定から推進までを一貫して行う産学官民一体のシンク&ドゥタンクであるFDCの特徴は、民間主導であるということです。
石丸さんが「自分達の地域は自分達で作るという意識が強い」とおっしゃるように、福岡では市民の意思で都市がどうあるべきかを考え、その意思に行政が寄り添って実現を目指しています。
近年、福岡が活気を帯びているのは、このような民意を元に立てられた成長戦略があるからなのでしょう。

Profile

石丸修平

Shuhei Ishimaru

福岡地域戦略推進協議会 事務局長

経済産業省入省後、大臣官房政策評価広報課、中小企業庁長官官房参事官室等を経て、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)に参画。その後、福岡地域戦略推進協議会(FDC)に転じ、2015年4月より現職。アビスパ福岡アドバイザリーボード(経営諮問委員会)委員長、Future Center Alliance Japan(FCAJ)理事、九州大学地域政策デザイナー養成講座エグゼクティブディレクター、九州大学ロバートファンアントレプレナーシップセンター客員准教授、福岡女子大学地域連携センター客員研究員の他、大阪府吹田市情報化推進懇談会委員、沖縄MICE振興戦略検討委員会委員等公職も務める。

 

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