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INTERVIEW

Interview

2016.10.13

いつか夢に現実がついてくる

一般財団法人 たんぽぽの家 岡部太郎

岡部太郎
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夢を語り、そこに共感した人たちと一緒にお金を集めることから始めました

 


 

山出:こういう場所を作り、商品を作って販売できたらいいなって考えている人は少なくないですよね。それって、やるかやらないかの違いだと思うんです。その違いの、一番大きな要素はやっぱりお金ですよね。『たんぽぽの家』では、そこのところをどうされているのかお伺いできますか?

 

岡部:お金はありませんでしたが、夢を語り、そこに共感した人たちと一緒にお金を集めることから始めました。

 

山出:共感しますねえ。

 

岡部:とにかく、いつか夢に現実がついてくると信じてやってきました。『Good Job!センター』がラッキーだったのは、土地の提供があったことです。それを担保にお金を借りることもできましたし、スタートとしてはかなり恵まれています。それにしても、建築の費用は全然ありませんでした。大きなスポンサーは日本財団と香芝市です。日本財団は、障がい者のアート活動をどう仕事にしていくかを福祉全体の課題と捉え、その展開に期待してくださっています。そして地元の香芝市からは、福祉としてではなく、地域経済の発展のために補助金をいただくことになりました。あとは、共感してくださった市民の寄付で、なんとかかんとか。

 

山出:建設費用の総予算はおいくらですか?

 

岡部:約2億1,700万です。

 

山出:日本財団がスポンサーになった経緯を教えてください。

 

岡部:もともと『Good Job!プロジェクト』へは継続して助成いただいていたので、それを具体的に実現するセンターを作りたいと、プレゼンテーションさせていただいたんです。それで7千万ほど支援していただきました。

 

山出:特別支援ですね。一般の方々の寄付はどのように募ったんでしょうか?

 

岡部:クラウドファンディングや地道な募金作戦です。こちらはまだ400万ぐらいしか集まっていません。

 

山出:400万のうちの、クラウドファンディングの割合ってどのくらいですか?

 

岡部:当初は 100万円を想定していたのですが届かず、クラウドファンドではなかなかこういう事業には共感が得づらいと実感しました。たとえば、なにか革新的なものを作るとかだったら、もっと集まりやすいと思うんですけど、漠然と「社会を変えるためのセンターを作りたい」と発信しても、なかなか難しい。
あと、香芝市からも3200万ほど助成していただいています。

 

山出:それは大きいですね。じゃあ、合計すると予算の半額以上は集まっているんですね。あとは銀行から借り入れですか?

 

岡部:障がい福祉事業に対する融資で条件がいい福祉医療機構から借りています。

 

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山出:そもそもこの事業って社会貢献なんですか?

 

岡部:いいえ。『Good Job! センター』のベースは障がい福祉サービスです。いわゆる福祉事業ですね。利用者に仕事を作り、給料を払うことが課題なんです。

 

山出:つまり、利益を生まないといけないということですね。でも、利用者1人あたりに対して国の支援金がありますよね。そもそものお話になりますが、収益事業を起こさなくてもやっていけるんじゃないですか?

 

岡部:それは楽ですが、障がいがある人たちには働きたいという思いがあるんです。ニーズが広がってきているんですよ。かつては生きるということすら大変な時代がありましたが、豊かに暮らしたいというニーズが生まれて、今は働きたい、自立したいという人たちもあたりまえに地域にいます。利益を得ること自体が目的ではありませんが、働いて利益を得るということに対して、その機会を創っていく。彼ら自身が持っている希望や意思をどう支えていくか。それを追及するのは、社会福祉法人の役割だと思っています。

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編集長雑感

『Good Job! センター』設立の経緯の根底には、障害者を取り巻く社会や環境への疑問がありました。「変化を起こすためには、その疑問を持った人がアクションを起こさなければ」と、資金を集め、足りない分は借り入れをして建設費用を調達したのです。
障がいのある方々に向き合い、自分ごととして捉えていらっしゃるからこそ、その情熱が湧いてくるのでしょう。

Profile

岡部太郎

Taro Okabe

一般財団法人 たんぽぽの家

1976年、市民活動から始まった「たんぽぽの家」は、「アート」と「ケア」の視点から、障害のある人の暮らしやアートを通じての社会参加のサポートから仕組みづくり、研究活動、情報発信、配食サービスなど、幅広い活動を展開している。
その活動は、『一般財団法人たんぽぽの家』『社会福祉法人わたぼうしの会』『奈良たんぽぽの会』の3つの組織で構成されており、『一般財団法人たんぽぽの家』ではソーシャル・インクルージョンをテーマに、アートの社会的意義や市民文化についてといかける事業を展開している。
主なアート活動に、アートと社会の新しい関係を作る『エイブル・アート・プロジェクト』、障害のある人の綴った詩をメロディにのせてみんなで歌い、全国各地、年間約50ヵ所でコンサートを開催する『わたぼうしプロジェクト』など。
さらに、アート、デザイン、福祉の分野を超えた新しい働き方を作る『Good Job! プロジェクト』を2013年から開始、2016年9月『Good Job! センター 香芝』を開設。

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