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INTERVIEW

Interview

2017.03.31

プロセスが大事

株式会社 メソッド 山田 遊

山田 遊
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すでにある価値観では、他との違いは出せません

 


 

山出:これまでのお仕事の事例について、いくつかお伺いしたいです。

 

山田:フリーランスのバイヤーとして、初めての仕事は、国立新美術館ミュージアムショップ『スーベニアフロムトーキョー』でした。

 

山出:大きな美術館のショップって、どこも同じようなものしか置いていないんですよね。国立新美術館のショップは、スーベニアっていう視点でディレクションされているのが新鮮でした。

 

山田:典型的な現代美術館のショップには絶対したくないって思ったんです。

初めての仕事だったので手探りでしたけどね。でも、熱意と勢いがあったから、実現させることができたのだと思います。

 

山出:今までにない価値を作るっていう意思がすごく強かったのでしょうか?

 

山田:すでにある価値観では、他との違いは出せませんからね。ゼロから作ることが大切なんです。

 

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山出:『PASS THE BATON』の事例についても、お伺いしたいです。

 

山田:『PASS THE BATON』は、コンセプト設計から入らせていただいた、初めての仕事でした。
初めは『三菱一号館』を復元した美術館にミュージアムショップを作る計画のご相談をいただいたんです。古い写真や資料を見ながら、その建物が作られた当時の風景を体感できるショップにしたいと考え、明治期の和洋の骨董を取り扱うアンティークショップにしてはどうかという提案をしました。

三菱地所の方がそのアイディアを面白がってくれて、ミュージアムショップとは別の場所で実現したいね、という話になって。その議論の中で名前が上がったのが遠山正道さんでした。

ただ、あくまで遠山さんの事業として進めていただくためには、遠山さん自身のモチベーションが当然必要で、そこで事業の軸にリサイクルというキーワードが加わりました。僕の提案がきっかけとなり、遠山さんが具現化されたのが『PASS THE BATON』という店だったと思っています。

 

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山出:新潟の『燕三条 工場の祭典』では、工場を一般公開してものづくりの現場を体感してもらうことで大きな反響がありましたね。

 

山田:これはもともと売場で感じていたことなんですが、よく「モノよりコト」とか「ストーリーが大事」とか言われますが、それでは曖昧だと思います。

僕はストーリーと言うより、モノづくりにはプロセスが大事なんだと思っています。

日本の製品は仕上がりが綺麗だから、手作りのイメージが湧きにくく、実際に現場で見なければそのプロセスは本質的に体感できないと思っていました。だからこそ、実際に産地に足を運び、どういう風にモノが作られているのか、それをただ人々に感じて欲しかったんです。

そして、モノづくりという地域の資源だけで、現地に人を呼ぶことを実現したかったんです。

イベントは動員が全てです。小売も同様ですが、お客様が100人来れば、それだけ売上が上がる可能性があるんです。人が足を運ぶことこそがイベントの最大の成果です。

上手くいっていない地域のイベントに足りないものは、PRの方法だと思っています。

 

山出:実施されて、工場の方々にも変化がありましたか?

 

山田:自分たちが作っている製品について、しっかりと説明ができるようになったり、工場を掃除するようになったり、トイレを綺麗にしたり、お客様を迎える体制ができてきました。

サービス業としては当たり前のことですが、それまでは人と向き合うことに慣れていなかった工場の方々も、他者が来ることによって、次第にそういった感覚が生まれてきたのでしょう。

 

 

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編集長雑感

日本のモノづくりにとって、売れる仕組みを作るには、その土地でどうやって作られているのかを知る機会が必須です。また、よそから持ってきたものでイベントを組んで集客を図るのでは、産地に残るものがありません。そこで山田さんは、地域の資源だけで集客し、ものが売れる仕組みを作るために、『燕三条 工場の祭典』を企画しました。
産地に行き、作り手との交流機会を設けることで、ものの価値を伝え、ものづくりの街として燕三条をブランド化していきました。
イベント開催によって売れる仕組みを作る手法において肝要なのはPRです。その土地でのモノづくりのプロセスやディテールを伝え、そこに行ってみたいと思わせる、確かなPR戦略があってこその、成功事例であると感じました。

Profile

山田 遊

Yu Yamada

株式会社 メソッド

東京都出身。南青山のIDEE SHOPのバイヤーを経て、2007年、method(メソッド)を立ち上げ、フリーランスのバイヤーとして活動を始める。現在、株式会社メソッド代表取締役。2013年6月に『別冊Discover Japan 暮らしの専門店』が、エイ出版社より発売。2014年『デザインとセンスで売れる ショップ成功のメソッド』誠文堂新光社より発売。
主な実績に、国立新美術館ミュージアムショップ『スーベニアフロムトーキョー』サポートディレクション、羽田空港第二ターミナル『Tokyo’s Tokyo』グッズセレクト、リサイクルショップ『PASS THE BATON』MDコーディネート、『APEC JAPAN 2010』各エコノミー首脳への贈呈品の選定協力、『国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会』記念品等の選定協力及び企画・開発コーディネーションなど。

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